体内からの若返り

 みかけの若返りだけでなく、体の中から若返る方法があります。忙しい日常の食事からはとれない栄養素を医療用サプリで補給する方法です。 医食同源といわれるように食はとても重要ですが、現代はバランスよく摂取するのはむずかしいのでそれを補うことで体の内から健康になってゆきます。 何をどれだけ取ることが望ましいのか?それぞれの患者さんに応じて血液を採取して分子栄養学的に分析して何をどれだけ取ることが望ましいのかを診断します。 ダイエットには運動療法とサプリメントを併用するのが望ましいです。


実際の流れ
 1)外来で血液を採取し、東京都内の専門の血液解析センターへ血液を送ります
 2)解析結果をご本人へ説明致します
 3)個人個人不足する栄養素が違います。不足する成分を補うサプリメントを処方します。
免疫力を上げるためのサプリはビタミンCとビタミンDです。この2つは欠かさず飲みましょう。
ビタミンDは当院では血液検査で血液中の濃度を測定して適量を処方します。
ビタミンDは花粉症やアレルギー、アトピーに効果がでています。
コラーゲンの話
これまではコラーゲンを飲んだり食べても胃で胃酸で分解されてアミノ酸になるのでアミノ酸を飲んでいればよいと考えていました。 私は医師ですが、皮膚の研究者でもあるので、コラーゲンの分子量は2万もあるので胃では吸収されないと考えていました。ところが、コラーゲンを小さく切断したコラーゲンのペプタイドを飲むと 胃から吸収されてそれが肌にゆき再度コラーゲンに再合成されることがわかりました。
当院では日本のコラーゲン製品を供給している研究所からコラーゲンのドリンクとゼリーを購入しています。
私も試しましたが実際に肌が改善するのを実感しました。びっくりしました。

皮膚について

 皮膚について理解を深めましょう。

1)表皮

皮膚のいちばん外側の層で、一般に0.075~0.15mmの厚さしかなく、 主にケラチノサイトという細胞で構成されています。 シミの原因となるメラニン色素をつくる 細胞はメラノサイトといい、表皮の一番下の層(基底層)に存在します。表皮は、 外界からの刺激や異物の侵入から人体を守り、体内の水分を保つ役割を担っています。
ケラチノサイトは基底層で細胞分裂を行い、その後は表皮の一番上(角質層)まで移動して剥がれ落ちます。
これがいわゆる皮膚のターンオーバーで、約28日間かかるといわれています。 (年齢とともに細胞分裂の速度が遅くなり、ターンオーバーのサイクルも日数がかかり、メラニン色素も表皮に残りやすくなるためにシミの原因を作ります)。

2)真 皮

表皮下に存在する結合組織で、場所により0.3mm~3mmの厚さです。 真皮の約90%はコラーゲンから成り、肌のハリや弾力性を与え、弾性線維とともに皮膚の伸縮性を保つ構成要素です。
真皮の下半分は網状層といい、毛根や皮脂腺、リンパ管、血管なども集まり、表皮に酸素や栄養素を送り込んでいます。

3)皮下組織

皮膚の一番下にある組織で、大部分が皮下脂肪で占められています。
外界からの衝撃に対し、クッションのような役割を担い、保温やエネルギー源を蓄える役割も果たします。

4)コラーゲン

繊維構造になっており、皮膚のハリや弾力を保つ役割を果たします。
年齢とともに減少し不均一な状態になり、シワなどの肌老化の原因ともなります

老化の原因<

 年齢とともに現れてくる老化現象は誰も止めることはできません。しかし、老化のしくみや原因がわかっていると、それを予防することが可能です。 皮膚の老化の原因として、大きく分けると4つの原因があると言われています。

1)紫外線

どんなに気をつけていても、どうしても紫外線は浴びてしまいます。 メラニン色素をたくさんもったケラチノサイトが増え、シミ・ソバカスなどの原因となります。
紫外線にはUV-AとUV-Bがあり、それぞれ皮膚に異なった影響を及ぼします。

UV-A
315nm~400nmの波長で、たんぱく質やアミノ酸に吸収される性質を持っています。 曇っていても、その紫外線が真皮まで届いてしまいます。 UV-Aにより、 真皮に存在するハリや弾力を保つための重要な物質が破壊され、たるみやシワができ始めてしまいます。
UV-B
280nm~315nmの波長で、表皮、メラノサイトのメラニン産生を増加させる作用があります。 (日焼けは主にUV-Bによるものです。) 波長が短いため、エネルギーが強く、正常なケラチノサイトを傷つけてしまうので、 シミなどの原因になると考えられています。

2)加 齢

年齢とともに新陳代謝が衰えるため、皮膚のターンオーバーの速度が落ち、 真皮に存在するコラーゲンなどの量が減少し、またそれを作り出す細胞分裂の速度も落ちてしまいます。
また、紫外線などによって傷ついたケラチノサイトの中に、メラニンを多く持つものが現れ、 シミやソバカスができてきます。
その上、コラーゲンの減少で、皮膚のハリや弾力がなくなり、 シワやたるみになってしまいます。

3)乾 燥

年齢とともに新陳代謝が衰えるだけでなく、皮膚は乾燥するようになります。 表皮に存在するみずみずしさを保つための角質層の水分が減少することが主な原因です。
乾燥すると表面に隙間が生じ、表皮の水分が逃げてしまい、水分が少ないためもあって、小ジワができてしまいます。

4)活性酸素

酸素を吸って生きている肉体や、皮膚の細胞が酸化していくのはどうしても免れられません。体内に取り込まれた酸素の一部が活性酸素に変化することが原因と言われています。 その活性酸素は細胞にダメージを与え、真皮のコラーゲンなどを硬くしてしまいます。そのため、皮膚のハリや弾力性を失わせ、老化を進めてしまうのです。 さらに、紫外線や、毎日の生活のストレス、タバコ、大気汚染、脂っぽい食事などの環境も、活性酸素をつくる大きな原因となっています。